ビジネスモデル16の発想法

 

 ビジネスモデルを考える時、ぱっと何個か思いつき、吟味し、分析し、実行する。

 こうやることが多いのではと考える人が多いだろう。

しかし、これでは数に限りがあるし、自分の思い込みが影響しやすい。

また、ビジネスモデルは、新しいものを生むことが難しく、既存のモデルや事業を組み合わせることで生まれることのほうが多い。そして、既存のモデルとの比較していくことで案を出しやすくなり、更にうまくいきやすいものが生まれやすい。

そこで、発想を助けるフレームワークを用いた16個の発想法を紹介します。

  1. 水平思考
  2. マトリックス思考
  3. ブレインストーミングブレインストーミング
  4. KJ法KJ法
  5. NM法NM法
  6. オスポーンのチェックリストオスポーンのチェックリスト
  7. マンダラートマンダラート
  8. トヨタの5回の「なぜ」トヨタの5回の「なぜ」
  9. トゥリーズ法トゥルーズ法
  10. シックス・ハット法シックス・ハット法
  11. ブレインライティングブレインライティング
  12. セブン・クロス法セブン・クロス法
  13. PREP(プレップ)法PREP(プレップ)法
  14. 希望列挙法と欠点列挙法希望列挙法と欠点列挙法
  15. 特性列挙法(属性列挙法)特性列挙法(属性列挙法)
  16. ゴードン法ゴードン法

1.水平思考   提唱者:イギリスのエドワード・デ・ボノ

ステップ①フォーカスを選択する

 EX)花ならば「香りがいい」、「色がきれい」、「枯れる」etc

ステップ②水平移動により、ギャップを誘発する

 「逆転」「代用」「結合」「強調」「除去」「並べ替え」に変化させる。

ステップ③ギャップを埋める方法を考える

 「バレンタインデーに最愛の人にバラの花を贈る」ことを水平思考で考えた場合、

逆転バレンタインデー以外の日にバラの花を贈る
代用バレンタインデーにレモンを送る
結合バレンタインデーにバラの花と鉛筆を贈る
強調バレンタインデーに何本もの花を贈るor1本だけ贈る
除去バレンタインデーにバラの花を贈らない
並べ替えバレンタインデーに男性が女性にバラの花を贈る

2.マトリック思考

ビジネスによってお客に対して与える本源的価値とやりたいビジネスを掛け合わせる方法。

本源的価値\やりたいことディズニーランドのような娯楽施設
悩み解決様々な占いをそろえたテーマパーク
優越感1日10組限定の遊園地
健康に良いいろんなマッサージを少しずつ
お試し体験できるテーマパーク

3.ブレインストーミング 提唱者:アレックス・オスボーン

 みんなでざっくばらんにアイデアを出し合う方法。

ポイント①批判しない

 言い出しにくくなる。

ポイント②自由に発言する

 制限せず、思いついたら発言。

ポイント③質より量を重視

 ポイント④につなげやすくなる。

ポイント④連想と結合する。

 人にアイデアに付け足したり、連想したりして多くもアイデアを出す。

4.KJ法 開発者:川喜多 二郎

①アイデアをカードに書き出し、カードをバラバラに広げる。

②似た内容のカードをグループごとに集め、タイトルを決める。

③さらに似たグループをまとめ、タイトルをつけ、10グループ以内にする

④関係性のあるグループを近くに置き、並び替える。

⑤関係性を記号や線で示す。

⑥重要な順に順位をつける。

※とがったアイデアなどグループ分けが難しい場合は、無理にグループ分けしない。

5.NM法 開発者:中山正和

①課題に関するキーワードを決める。

 飲食店の場合、「食べる」「くつろぐ」

②キーワードから似たものを連想する。

 「食べる」 朝食、食卓、消化etc

「くつろぐ」 ホテル、温泉、自宅etc

③連想した言葉の背景にある要素や構造、働きを考える。

 朝食、食卓、消化:和食、ブュッフェ、調味料、胃薬etc

 ホテル、温泉、自宅:寝る、ルームサービス、温まる、楽な服装etc

④③で出た言葉を課題に照らし合わせてアイデアを発想する。

 調味料 「調味料が100種類要されたレストラン」

 楽な服装 「着替えの用意されたレストラン」

6.オスボーンのチェックリスト

①ほかに使い道はないか

②応用できないか

③変更したらどうか(色や形、様式など)

④拡大できないか

⑤縮小・削除できないか

⑥代用できないか

⑦アレンジし直したらどうか

⑧逆転させてみたらどうか

⑨結合してみたらどうか

7.マンダラート 開発者:今泉浩晃

①3×3のマトリックスの真ん中にテーマを記入する

②真ん中のテーマから思いついたことを周りの8マスに記入する

③8つのマスに書いたキーワードを1つずつ抜き出し、新しいマトリックスの真ん中に記入する。

④②と③を繰り返す

ex)大谷翔平選手の高校時代に作ったマンダラート表

8.トヨタの5回の「なぜ」 大野耐一

 トヨタ自動車の問題解決法で、問題が起こったときに「なぜ」→「なぜならこうだから」を5回繰り返すことで真の原因を突き止める。

 製品やサービスを考える時に、用いることで真のニーズをつかむヒントになる。

著書『トヨタ生産方式』大野耐一


9.トゥリーズ法 開発者:ゲンリッヒ・アルトシュラー

40もの発想の法則を導き出した。

TRIZ法40の発明原理で問題解決! 参照)

分割原理事前保護原理高速実行原理多孔質利用原理
分離原理等ポテンシャル原理災い転じて福となすの原理変色利用原理
局所性質原理逆発想原理フィードバック原理均質性原理
非対称原理曲面原理仲介原理排除/再生原理
組み合わせ原理ダイナミック性原理セルフサービス原理パラメータ原理
汎用性原理アバウト原理代替原理相変化原理
入れ子原理多次元以降原理高価な長寿命より
安価な短寿命の原理
熱膨張原理
つりあい原理機械的振動原理機械的システム代替原理高濃度酸素利用原理
先取り反作用原理周期的作用原理流体的利用原理不活性雰囲気利用原理
先取り作用原理連続性原理薄膜利用原理複合材料原理

10.シックス・ハット法 

 

人は意識しなくても意見が偏ってしまいがちになってしまうため、意識的に視点を変えることで新たな発想を生み出す方法として、「異なる帽子をかぶる」儀式があります。

白い帽子客観的・中立的な視点
赤い帽子感情的な視点
黒い帽子批判的・消極的な視点
青い帽子分析的・冷静な視点
黄色い帽子積極的・希望的な視点
緑の帽子革新的・創造的な視点

11.ブレインライティング

 話すのが苦手な人が多い場合や、一人で話続けてしまう人がいる場合に有効な方法。 

①メンバー6人で行う場合、3×6マスのシートを用意。

②それぞれがテーマについて3つのアイデアを書き込む。(5分)

③シートを順に隣へ回し、全員がアイデアを書く。

④各々がいいと思ったアイデアを、2,3個選び、みんなで検討する。

12.セブン・クロス法

7×7マスのマトリックスで整理する方法。ブレインストーミングなどによって出た多くの意見を整理するのに便利。

①多くの意見を7つの項目に分類する。

②7つの項目を左から右へ重要な順に並べる。

③重要度の高い順に縦に7つ並べる。

また、7×7マスのシートを用意し、

①1番上に課題を7つ横に書き出し、その下に目標を書く。

②その下にアイデアを書いたカードを張り付けていく。

こういった方法もある。

13.PREP法(プレップ)

①POINT アイデアのポイント

②REASON そのアイデアが良い理由

③EXAMPLE アイデアの具体例

④POINT アイデアのポイントを別の言い換える

14.希望的列挙法と欠点的列挙

①テーマについて「こうなったらいいな」を出す。ブレインストーミングの4つのルールを守る。

(または欠点や問題点を出す。)

②①の中から1つ選び、その解決策についてブレインストーミングをする。

15.特性列挙法(属性列挙法) 開発者:ロバート・クロフォード

①対象のものを3つの特性に分解する。

名詞的特性 材料や構成要素、製法などの名詞で表せるもの。

形容的特性 大きい、小さい、軽い、重い、細い、太い、色など

動詞的特性 切れる、挟むなどものの機能の性質。

②特性の問題を出す

「大きい」の場合、重い、かさばるなど。

③その問題を解決するアイデアを考える。

「重い」の場合、軽量化、持ち運びやすいよう車輪をつけるなど。

16.ゴードン法 考案者:ウィリアム・ゴードン

①リーダーを決め、リーダーがテーマを決める。

 リーダー以外はテーマを知らない状態。

②リーダーはテーマについて抽象化し、ほかのメンバーのブレインストーミングのテーマを決める。

③②をもとに発想する。

④リーダーは①で決めたテーマをメンバーに伝える。

⑤③で出たアイデアと①のテーマを基に再度アイデアを発想する。

カール教授のビジネス集中講義 ビジネスモデル(平野敦士カール,朝日新聞出版,2015)


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